郡上市/大野市(岐阜/福井) 大山(1128.3m) 2022年3月19日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 7:37 県道除雪終点−−7:46 斜面取付−−9:13 大山 9:24−−10:03 県道−−10:10 県道除雪終点

場所岐阜県郡上市/福井県大野市
年月日2022年3月19日 日帰り
天候雨後曇&ガス
山行種類残雪期の籔山
交通手段マイカー
駐車場県道の除雪終点に広い駐車余地あり
登山道の有無無し
籔の有無雪に埋もれてほぼ無し
危険個所の有無無し
冬装備スノーシュー
山頂の展望無し
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コメント県道127号線の除雪終点から大山北西尾根を往復。出発時は雨が降っていたがすぐに小降りになって止んでくれたが、標高が高い場所は雲の中だった。尾根末端は崖で登れず、その後も県道の斜面側は法面と落石防止フェンスで取り付くことができず、小さな沢が登場したところで斜面に取り付いた。地形図から読めるように傾斜は超急で雪が消えた小尾根に乗っても湿った土で滑りやすく滑落注意。標高800mを越えると安心できる傾斜に変わるが、意外にも尾根直上は雪が消えていて標高1000m付近まで雪の上はほとんど歩かなかった。尾根が雪に覆われて以降も先週より雪が締まって5cm程度しか沈まず歩きやすかった。山頂には文字が消えかけた古い木製の標識あり


杉山付近から見た大山


除雪終点の駐車場 除雪終点
小屋谷川左岸尾根末端は崖で登れなかった 県道の斜面側は延々と法面&フェンスが続く
沢が登場してやっと斜面取り付きが可能に ここから斜面に登った
最初は傾斜が緩い すぐに強烈な傾斜になる
潜るためスノーシュー装着 あまりに傾斜がきつく右手の尾根にトラバース
尾根に乗るがやっぱり傾斜がきつい 標高800m付近で当初計画した尾根に合流
標高820m付近。まだ雪が切れている 標高860m付近から見た石徹白
標高880m付近 標高950m付近。無雪の尾根直上を登る
標高1000m付近から尾根全体が積雪に覆われる 再びスノーシュー登場
標高1030m付近。ガスに突入 標高1070m付近で一時的に地面が出る
標高1080m付近 標高1100m付近。山頂直下
県境稜線に乗り西へ 大山山頂。西を見ている
古い山頂標識が1つだけあり 山頂から東を見ている
薄っすらと太陽の輪郭が見える 山頂では積雪は1m以上ある
標高1100m付近。ガスが薄まってきた スノーシューでも足首くらい沈む
熊棚 ツボ足とスノーシューの沈み方の違い
標高880m付近。下りは雪の上を歩いた 標高800mで左の尾根に入ると傾斜がきつくなる
標高710m付近。崖状で右に逃げる 標高710m付近から右の雪面
雪の上は潜るのでまたスノーシュー登場 植林を下る
県道と石徹白川 残りは雪の県道歩き
小屋谷川 除雪終点付近から石徹白川上流を見ている
除雪終点の通行規制看板 駐車余地に到着


 関東人なら大山と言えば丹沢東端の大山を思い浮かべるのが普通だろう。しかし今回目指したのは岐阜と福井の県境にある大山。石徹白川左岸に位置し、登山道があるとは思えないので雪がある時期に登ることにした。

 お彼岸の3連休は金曜日に南岸低気圧が通過し、土曜日から冬型の気圧配置に変わって長野でも雪の予報が出るほどで、郡上は雪が降るか微妙な位置。土曜日はまだ南岸低気圧の影響が残って朝は雨で昼頃は一時的に天候が回復するが、その後は寒気が流入して急激に悪化の予報が出ていた。よって土曜日は短時間で登れる山ということで大山を選択した。石徹白近辺で登り残しの中では一番楽な山である。

 大山へのルートであるが、アプローチの都合上、北側の起点しか無いだろう。県道127号線を除雪終点まで南下し、その後は雪に埋もれた県道を歩いて小屋谷川左岸尾根に取り付いて山頂を目指すのが最短ルートだろう。県道の標高は約630m、山頂は1128.3mなので標高差はほぼ500mジャストである。

 金曜夜は長野では雨だったが松本へ向かっていると徐々にみぞれから湿った雪に変わり、国道の路面も白くなってきた。いつもなら時速60km以上で走行可能な道も雪道では低速にせざるを得ない。旧波田から山間部に入ると本格的に路面に積雪がありシャーベット状で乾いた圧雪と違ってかなり厄介だ。もう夏タイヤに履き替えた車もいたようで、坂を上れずに停車している車やレッカー車のお世話になっている車も。私はまだ雪があるエリアに入るので冬タイヤのままであり、坂道でも突破することができた。最悪、タイヤチェーンは積んでいるのでそれを装着すれば積雪が深い箇所を除けば対応可能である。気温は-1℃ほどであった。さすがに真冬よりは気温は高い。

 安房トンネルを抜けると一段と白くなっているかと思いきや、何と雨で気温は+2〜4℃もあり周囲に新雪は積もっていなかった。おかげで岐阜側は安心して走行可能だった。これほど劇的に気象が変わるとは。今回は降雪の原因が南岸低気圧だったからかもしれない。

 土曜朝は悪天の予報で出発を遅くする計画だったので、節約のため飛騨清見IC以降は高速道路は使わずに国道158号線を南下して石徹白へ向かった。先週は凍っていた桧峠付近は気温は先週と同じだったが路面は凍っておらず雪解け水が流れていた。

 石徹白に入ると毎回県道を北上していたが、今回は初めて県道を南下。無雪期なら県境を越えて福井県へ抜けられるがこの時期は人家のある範囲しか除雪していないので県境までは車では行けないが、大山に登るためには問題なし。下在所集落を抜けると除雪終点に到着。うまいことにそこには除雪された広い駐車余地があり、ここで仮眠。細かな雨が降りしきっているが明朝には上がってくれるといいのだが。まあ、雨が降っていても出発するつもりで装備の準備をしてきたが。

 翌朝は睡眠時間確保も兼ねて6時に起床。就寝前に朝6時に目覚ましをセットしたがその前に目覚めて6時を迎えたがアラームが鳴らない! 設定を見ると午後6時になっていた(汗) そういえば先週とその前の週と2週連続で目覚ましで起きられなかったことがあり、アラームが鳴るかどうか下山後に確認したときに設定した時刻が午後だったのでそのままになっていたのであった。この時計は12時間表示なので分かりにくい。

 外は細かな雨が降り続いているので急ぐ必要は無く、のんびりと調理して温かい朝飯を食って着替える。今回は雨の中を登るので防水重視で、山用のボロゴアは使わずに下界用の雨合羽を着用。合羽を着たまま行動すると汗をかくので防寒装備はほとんど無しにした。雨が降った中では着替えもできないので防寒着を持っても使えないし、歩き続ければ体温が維持されて防寒装備は最低限でいい。靴は雨にはめっぽう強い防寒長靴とした。下界用の雨合羽は登山用とは違って裾が広がらないので着たり脱いだりするためには靴まで脱ぐ必要があり、登山靴より長靴の方が脱ぐのは簡単であるので相性がいい。

 冬装備であるが、スノーシューは当然としてアイゼン、ピッケルは悩んだ。今回使う尾根は傾斜がきついのでピッケルはあった方がいいかもしれないが、この時期の雪質ならズボズボ潜るのが普通であり、ヤバい場面に遭遇したらつぼ足に切り替えれば大丈夫と判断して持たないことにした(この判断はちょっと失敗だったかも)。先週の大日ヶ岳〜鎌ヶ峰間もピッケル不要で通過できたのだから今回も大丈夫だろう。

 雨の中の出発は久しぶり。尾根上での風の強さが不明なので使えるかどうか分からないが傘も持った。昨夜よりも雨の強さは弱まっており、雨具無しでもギリギリいけそうな気配。上空を見ると雲の隙間から青空が覗いている箇所もあり、回復傾向と見ていいだろう。でももう雨合羽の上下を着ているのでこのまま歩きだす。

 最初はスノーシュー無しで未除雪の県道を進む。はっきりしないが古い足跡があるようだ。渓流釣りだろうか。もう雪解けシーズンに入ったようで石徹白川は轟音をたてて流れていた。つぼ足でも潜る深さは足首程度で踏み抜きは無く、これならスノーシューを使わなくていいだろう。

 すぐに小屋谷川を渡る橋が登場するが、左岸側は岩壁状で取り付くのは不可能。そこからしばらく県道の斜面側は法面と落石除けのフェンスが続いてこれまた取り付くことができない。結局は県道が石徹白川左岸から右岸へ移る手前の沢の右岸で取り付けるようになった。ここからは日当たりが悪く雪が締まっていないと予想される杉の植林帯に入るのでスノーシューを装着した。今週に数箇所を修理したが下山まで持ちこたえてくれるだろうか(結論から言えば大丈夫だった)。

 あとはこのまま登り続ければ山頂に到着するので、今回は地形図を開く必要は無さそうだ。出出しの植林は傾斜は緩いが、その後は地形図どおりに急な登りが連続するが思ったよりも傾斜がきつく、このまま登るのはヤバいと思えるほどになったので右手に見えている小尾根に乗り移ることにした。そこへのトラバースの雪面も急斜面でスノーシューのままでは厄介でピッケルが欲しい場面であった。

 小尾根に取り付くと意外にも雪が消えて地面が続いているのでスノーシューを脱いで長靴で登り始める。ここは西向きの尾根だし、これだけ傾斜もきついので雪解けが早い条件が2つ揃っているので雪が無いのであろう。おかげで予定よりも楽に歩くことができた。ただしかなりの傾斜で雪解けで地面は濡れて滑りやすいので注意は必要である。積雪がある場所は足が潜って滑らないのでその点では歩きやすいと言えるが、雪が沈んで体力を使うのが難点で、場面によって雪がある場所を通過したり地面を歩いたりした。

 標高800m付近で当初計画の小屋谷川左岸尾根に合流してやや傾斜が緩むが、相変わらず尾根直上のみ雪が消えて歩きやすい状態が続く。この付近は雪がなくても藪はなく無雪期でも問題なく歩ける植生だが、山頂までこんな状態が続いているのかは不明だ。標高950m付近からはやや潅木が邪魔になるが、まだこの程度なら藪漕ぎと表現するほどではない。雪国ではありがちな笹は背の低いものは見られるが全く問題にならない。

 標高1000m付近で傾斜が緩んで尾根幅が広がると尾根全体が残雪に覆われるようになりスノーシューを装着。これから山頂まではごく一部を除いて雪が連続していた。やはりこの時期はこれでないと。天候は更に回復して雨は止んで青空も見えるようになり北側の山々の裾野が見えるようになったが、高度が上がるとガスの中に突入した。雲の高さはかなり低いらしいが雨を降らせるほどの雲ではないようだ。

 傾斜がきつい区間以降は自然林であったが、標高1100m付近では左側が杉の植林に変わる。そこはほぼ平坦な肩のような場所で、その先には土手のように左右に広がった緩やかな尾根が登場。この尾根の南側は明るい自然林であった。これまではずっと明瞭な一本の尾根であったが、ここで明らかに地形が切り替わった。

 ここで現在位置を確認するために地形図を広げると左右に延びる尾根は県境稜線で、現在地はほぼ山頂であることが判明。。山頂は西側(右側)のはずなのでそちらに緩やかに登って丸いピークに到着すると、古ぼけた木製の山頂標識が1つだけかかっていた。ここが大山山頂である。北東側は杉の植林でそれ以外は背の高い自然林に覆われて展望は無し。おまけに今はガスがかかっている。冷たい北寄りの風を避けて南斜面でちょっとだけ休憩。

 帰りは往路を戻る。天候はさらに回復したようで樹林の隙間からは朝は雲の中で見えなかった芦倉山や初河山の真っ白な姿が見えていた。

 標高800mの尾根分岐でスノーシューを脱いで県道近くの植林まではそのまま長靴で歩き、踏み抜きが連発した植林でスノーシューを履いて県道を歩き駐車箇所へ戻った。この頃が一番天気が回復した時間帯で薄日も差していた。しかしここから再び天候が下り坂となり、昼過ぎには小雨が降りだした。

 明日は杉山から小白山の予定だが天候は回復するだろうか。気圧配置は冬型になりこの界隈の予報は曇りで微妙なところで、山の上は雲の中で雪の可能性も考えられる。天候によって杉山だけにするか小白山まで足を延ばすか考えることにしよう。とにかく雨が降っても雪が降っても杉山だけは登ろうと思う。

 

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